A「風邪の初期や、花粉症などアレルギー性の刺激を受けた初期によく鼻水、くしゃみ、鼻づまりを起こします。鼻水でひどいときには頭痛や、頭重感が起こる急性鼻炎、通称鼻かぜがあります。鼻かぜの初めはウイルス感染で続いて細菌感染が加わります。初期にはくしゃみと鼻水がでます。濃い膿のような鼻汁が出て鼻がつまる場合は細菌感染が加わった時です。細菌に感染すると濃い膿のような色をした鼻汁が出て鼻づまりが重なります。鼻の粘膜表面にはウイルスや細菌の侵入を防ぐ物質が分泌されて有害物質を取り除く働きをしています。この働きが寒さや乾燥で鈍くなると風邪を引きます。予防としては寒さを避けて、乾燥した空気を長時間呼吸しないことです。初期には暖かくして安静にして鍼治療で十分治せます。しかし長引いて膿のような鼻汁がではじめて気分が悪くなれば専門医の受診が必要です。51歳の主婦Kさんは鼻水が出たので直ぐに鍼治療をうけて数回の治療でよくなりまして。鼻みずによく使われる経穴は、眉間の中央にある印堂(いんどう)、印堂の上で髪の毛の生え際にある上星(じょうせい)、小鼻の両わきの迎合(げいごう)などです。

日経新聞 夕刊【鍼灸よろず相談】にて掲載したものの一部です。
石野尚吾