A乗り物酔いは専門的には動揺病と呼び、車のほか、船や電車、飛行機などに乗っているときに冷や汗が出て顔面蒼白になり、吐き気や生唾がこみあげます。無気力、思考力低下などの症状が現れます。ひどくなると、嘔吐(おうと)などで苦しみます。子供に多い症状で、20歳を過ぎると少なくなりますが、40歳〜50歳になると再び増えます。耳の平衡感覚の情報が適正に働かないときに起きますが、乗り物酔いの原因には複雑な過程があります。
50歳のFさんは夫ち二人の飛行機での旅行が決まりました。
楽しみですが、心配は以前からの乗り物酔いです。出発の前日、内関(ないかん)という経穴に皮内鍼(はり)をしました。旅行中何も起こらず楽しく過ごせました。内関は左右の腕の内側にある手首のしわ中央から、体の方へ向かって指2本分ほどのところにあります。ここを指で探ると、日本の細い筋肉にはさまれていることがわかります。

日経新聞 夕刊【鍼灸よろず相談】にて掲載したものの一部です。
石野尚吾
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