A「眼球内では水が循環しています、この循環がうまくいかなくなり眼球の中の圧(眼圧)が高くなった状態が緑内障です。虹彩炎や外傷のために眼圧が上昇する続発性緑内障と原因不明で発症する原発性緑内障、生まれつきの先天性緑内障があります。正常の眼圧(10〜20oHg)が、急に高くなると目がいたくなり見えにくくなります。同時に頭痛や吐き気が起こります。また症状はほとんど無く慢性に進行するもの(正常眼圧緑内障)もあり、ほっておくと視野欠損をおこします。緑内障の基本的な治療は現代医学が優先されます。眼圧が正常に維持されても目の奥の痛み、頭痛がとれないことがあり、これは鍼の出番です。眼の奥の痛みには攅竹(さんちく)絲竹空(しちくくう)、瞳子髎(どうしよう)を、首を前にまげたとき出っ張る首の骨と、肩の先端を結ぶ線の真ん中にある肩井(ケンセイ)、頭痛の治療に用いる経穴は、頭のてっぺんで正中線上にある百会(ひゃくえ)、この経穴は全身の調整を主り、痛みなどの感じ方を鈍くする作用があります。ストレスを軽減し気持ちを楽にして精神的にも肉体的にも安寧を保ち頭痛を解消してくれます。次にぼんのくぼの両側で左右外側2pのところにある天柱(てんちゅう)、天柱の外側の2pの所にある風池(ふうち)などを主に用います。」

日経新聞 夕刊【鍼灸よろず相談】にて掲載したものの一部です。
石野尚吾
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