A体力が弱い傾向の人は、夏の暑さや湿度に対する調整がうまくいかず、食欲不振になり元気がなくなります。その結果、夏の終わりから秋口にかけて全身に倦怠感が出る症状を夏バテとよんでいます。
東洋医学では注夏病(ちゅうかびょう)といって夏から対策をとっていました。夏ばての原因は休み中の不摂生や夏の寝苦しさによる睡眠不足などです。
53歳のTさんは毎年夏の終わりごろに下痢をしたり体調を崩したりしていました。梅雨前から週1回、鍼灸治療を続けました。日常生活も注意し、栄養のバランスのとれた食事を心がけました。そして残暑厳しい中でも元気に過ごせました。
鍼灸では消化器系機能全般に影響を与える中脘(ちゅうかん)、健康維持の経穴といわれている足の三里(あしのさんり)、ストレスを軽減させる百会(ひゃくえ)を使いました。

日経新聞 夕刊【鍼灸よろず相談】にて掲載したものの一部です。
石野尚吾
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